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転ばぬ先の杖を作ろう

  • 執筆者の写真: roical
    roical
  • 2019年11月20日
  • 読了時間: 3分

理学療法士の三上です。

さすが北海道。

しっかり冬が来ましたね。

冬は転びそう。なんて思いませんか?


ひと昔前まで転倒は『仕方がないこと=accidental』として考えられていましたが、昨今では転倒のリスクファクターが明らかになるにつれ、『予防可能=preventable』として認識が変わってきました。


仕方がないことから、予防出来るかもしれないことへ。革命的ですね。


転倒予防は『転倒そのものの予防』と『転倒にまつわる諸問題の軽減』に分けられ考えられています。


今回は『転倒そのものの予防』について知っていきましょう。


転倒のリスクファクターのオッズ比は

・筋力低下 4.4倍

・転倒経験 3.0倍 ・歩行障害 2.9倍

・バランス障害 2.9倍

・歩行補助具の使用 2.6倍

・視覚障害 2.5倍 ・関節疾患 2.4倍 ・ADL障害 2.3倍

・うつ 2.2倍

・認知機能障害 1.8倍

・80歳以上 1.7倍

     Rubenstein,2002

という報告があります。

これらの因子を防げば転倒が予防できると推察されることになります。


特に筋力低下ですが、1日4000歩以下の方は低活動により廃用性筋萎縮が起こることが推測されます。高齢者の筋力低下は加齢よりも低活動が要因であることが報告されています。

『年よりも過ごし方のせい』ということです。つまり、高齢でもチャンスはある!ということですね。


転ばせまいと大事に大事にした結果、余計に転びやすい身体の状態を作ってしまうケースを多く経験します。


確かに転倒は怖いものですよね。転倒経験者の86.2%の方が転倒恐怖感を抱え、44%の方が外出を控えるとの報告があります。

金,2001


恐怖心は人間をすくませます。また、スピーチロックと呼ばれる言葉による制限や圧力が加わると、かえって自己効力感を下げてしまい転倒リスクを増大させる可能性も考えられます。


別の報告では、

・過去1年以間の転倒経験 3.8倍

       鈴木隆雄,1999

一度転んだ人はもう一度転ぶと考えていいとも言い換えられます。


横断歩道は青信号で渡り切れますか?


日本の横断歩道は1m/秒以上で渡り切れるように設定されているそうです。この秒速1mは転倒にも関係があり、歩く速さが秒速1mより遅いと転倒リスクが高くなることが多数報告されています。


でも、諦めるなんて事はありません!

転倒予防には、筋力強化やバランス訓練、歩行訓練などを組み合わせた複合的な運動が効果的だと言われています。

本当に転倒する前にリハビリが出来ることはもちろん、転倒してからリハビリをするのも有効だと考えられます。

いつだって、リハビリって言っていいんです。


最後に転倒リスクの簡易チェックを紹介して終わりましょう。


□過去1年に転んだことがありますか?(はい5点、いいえ0点)

□背中が丸くなってきた(はい2点、いいえ0点)

□歩く速度が遅くなってきたと思う(はい2点、いいえ0点)

□杖を使っている(はい2点、いいえ0点)

□毎日5種類以上の薬を飲んでいる(はい5点、いいえ0点)

鳥羽ら,簡易版転倒リスク評価


合計6点以上の場合は転倒リスクが高いと考えられています。


健康は自分だけでなく、家族など周囲へも影響を及ぼします。つまり、自分の健康は他者の幸せにもつながります。


転倒と向き合い、少しでも有意義な在宅生活を続けられるように願ってやみません。





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